本陣公園の真向かいにある「正雪紺屋」。屋根の造り、格子、蔀戸、風にゆれるのれん……。まさしく江戸時代の染物屋さんそのものの風情です。中へ入ると左手に藍染め用の古い瓶が十数個、壁に吊り下げてあるいろいろな道具、いざという時に大切なものを運び出す用心篭、染め物業の守神、愛染明王の神棚。今にも職人さんが働き出しそうな雰囲気です。昔の染場がそっくり残っているのは希少な価値。御主人の吉岡統一郎さんは、四百年近く続く家業に誇りをもち、昔ながらの技法を今に伝えています。この「正雪紺屋」は、江戸幕府の転覆を図った風雲児、由比正雪(?〜1651)の生家だと伝えられています。
裏庭には、正雪の遺品が地下に埋められているとういう供養の祠が祀られていますが、吉岡さんの私宅でもあり、観光としての対応はできかなねます旨、ご了承ください。
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